大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

札幌高等裁判所 昭和57年(ラ)27号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

本件記録によれば、抗告人が競売不動産に対する抵当権者であること、そして、同人は、昭和五七年五月一二日原審競売裁判所に対し、右競売不動産の最低入札価額が不相当であることを理由として、翌一三日と指定されていた本件入札期日の取消を求める旨執行方法に関する異議申立をしたが、同裁判所はこれにつき判断を示さないまゝ当該入札期日を実施し、同月一八日抗告人以外の者に対し競落許可決定を言渡したことが認められる。

ところで、不動産の競売手続において、執行方法に関する異議の申立があつても、これにより当然に競売手続は停止されるものではないし、このような異議の申立があつた場合、これに対する裁判をした後でなければ、競落許可決定が許されないとする規定もないから、原審が抗告人の右異議申立に対する裁判をする前に競落許可決定をしたからといつてそのことから直ちにこれを違法であるとすることはできない(競売裁判所としては、前記異議申立に対しては競売手続の終了前にその裁判をすれば足りるものであり、右異議申立が認容されないかぎり、競落許可決定の効力を左右するものではない。)また、原裁判所が、抗告人による右異議申立に際し、競売手続の一時停止命令(昭和五四年法律第四号による改正前の民事訴訟法五四四条一項、五二二条二項)を発しなかつたからといつて、それを違法とすることもできない。従つて、抗告人の抗告理由は理由がない。

(奈良次郎 澁川満 藤井一男)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!